日々是妄想

よろずジャンルなオタクの掃き溜め。地雷もないが節操もない。

魔法使いと神様

についてずっと考えている。
まほやくの話です。
とくに先日開放された氷の街の話にショックを受けて、ずっと彼らと人間たちと私(読者)の功罪についてぐるぐる考えてしまう。

現在の進捗:
メインストーリー読了
ひまわりのエチュード以降のイベスト読了(北のバラッド除く)
親愛ストーリー オズ、カイン、スノウ、ホワイト、シノ、ネロ、ヒース、フィガロ、ルチル読了
育成ストーリー読破率75%くらい


答えを得たいわけではなく、ただひたすら考えること、それが楽しい。
私の神や宗教についての知識は小説で得たものだけなので、言葉のイメージ共有できるの自分だけなのかもしれない。けどどんな言葉にしたって解釈がひとによって違うのは当たり前だから前置きしなくてもいいか。

魔法使いが神様ムーブをすること

神様であること、神様として振る舞うこと、人の間で生きること。
それは罪なのか。悪いことなのか。
魔法使いの神様ムーブの是非、つまりは魔法使いが神を騙ることが赦されるのか、という命題と、
魔法使いを神様と見做すことに対する罪悪感、こちらは私(読者)の問題。あんスタのおたくなもので人間を神様扱いすることに対する警戒心がある。

リケについてのストーリーあまり読めてなくて教団の思想とかわかってないんだけど、
あれも「魔法」を「神秘の力」と捉えて魔法使いを神に近しいものとして扱う宗教なんだよね。
北のそれは土着の信仰で、教団は新興宗教っぽさがあるが。あの教団ってリケを手にする以前から存在したのだろうか。

スノホワによると魔法使いが神に近しいということだから、つまり神と魔法使いは別物として、あの世界にも存在する。
ただ古来信仰されていた「神」が、魔法使いではなかったという証拠もない。神様は魔法使いだったのかも。
ギリシャ神話だと精霊(ニンフ)は神の眷属というイメージだし、精霊の力を借りることができる魔法使いもそちら側のものと考えてもよさそう。
人間から見て、力のある魔法使いはもう神様だろう。崇めるのも無理はない。

スノウとホワイトが飽きたら土地ごと庇護した人間を見捨てることを、人間の立場からは非道いと言えるけど、実際数千年も生きているひとに、どうせ一瞬で死ぬ私達のことを考えろなんて、言える?
スノウとホワイトに見捨てられることは神様に見放されることで、災害だと思うしかないんじゃないか。
庇護されなきゃ生きていけない時点で立場は弱くて、生きる力が弱いのは庇護されることに甘えるからで、だからといって人間だけで生きようと努力したところで弱いものは淘汰されるし、弱いものが淘汰されない社会をつくるには時間がかかるし、その間に死ぬし、否定できないんだよね氷の街の在り方を。でも悪趣味だとは思ってしまうからこうやってぐだぐだ言葉を重ねて納得しようとしている。

ブラッドリーとかあからさまに、双子のやりかたを気に入ってはいないけど、ほんとうにだめだと思ったら手を出すタイプだと思うので、悪趣味だと言いながら黙って見ているというのは、それもひとつの在り方だと考えているからか。
悪趣味だとは思うが。ほんとに。

長寿であること、神と人間

魔法使いは滅多なことでは死なないというより、ただ老いないだけだよね基本的に。
病気や怪我の治癒に精霊の力を借りることができるから治りやすい、助かりやすい、という要因もあるだろうけど、神様のように不老不死の肉体を持つわけではない。
でも神様は不老不死と言いながら神様同士で殺し合ったりしてるから、不老不死でない=神ではない、でもない。

気になってちょっと調べたら、神が不死かどうかは文化圏によってちがう。そういえば日本の神様普通に死ぬよね。
ギリシャ神話も、カストルポルックスとか思うと、そもそも死とは、ってなる。あの世との行き来が不可逆じゃない世界で生と死の違いって何だ。

ホワイトは死んでるといいつつスノウときゃっきゃしていて、今のホワイトをホワイトという個人だと認めてしまうと、「死」とは?という命題にぶち当たってしまう。
だから今のホワイトはスノウの思念であったほうがいいのではないかと思うよ……なにが「いい」のかわからないけど……
死者の魂を現世に留める力を持つものはどう考えても「神様」の眷属じゃん。

数千年も生きている魔法使いを「人間」と同列に考えるのは無理があって、あのあたりは「神様」と見做していいんじゃないか。
人間にはない力を持っているからではなく、悠久の時を生きているから。
オズが昔から天候を操る力を持っていたからといって、それを持って「神様」と見做すわけではない。「化け物」と見做すことはあるかもしれない。
天候の操作は魔法科学でもできると思うし。採算度外視したら。
フィガロ、めちゃくちゃギリシャ神話の神様っぽさを感じる。人間臭いのに人でなしなあたり。

西の国の長寿組も神様っぽい。北のご長寿たちがオリンポス12神としたらヘルメスとかの若い世代。
ラスティカさほど(ムルとシャイロックに比べたら)長生きでもないみたいだけど、神様っぽさがすごい。
でもムルは人間。ものすごく人間。
飽くほど長い人生が神様らしさの由来だと考えているので、何百年生きていたって探究心が飽くことなんてないムルにとって、まだ全然神様になるには早い。
二千年生きたって満足できないと思うもん。
世紀の大天才が何百年も生きて研究を続けられる奇跡、あちらの世界が羨ましい。
そのせいで西の国は結構めちゃくちゃになってるみたいだけど、それは仕方ないよね。

ネロとファウストもものすごく人間なんだよな……
ネロは長生きだけど、完全に人間として過ごしてきているし。

<大いなる厄災>とあちらの世界とこちらの世界

例年大したことなく魔法使いが押し返すだけでどうにかなってたのに<大いなる厄災>って名前は大げさではない?
原初の時代に月が近づくことで大災害が起こって、その後対処できるようになったけど、名前は残っているということか?

月が厄災起こしているのにそれを防ぐ役目の賢者と魔法使いを月が選ぶのは何故?
月としても厄災を起こしたいわけではないけど周期的に近づいてしまうから、どうにか自分を元の位置に戻してほしい、ということなのか。
そもそも「月に選ばれた」はただの比喩で、賢者と月は関係ないのか。

「月」が衛星ではなく固有名詞としての「月」だと解釈して、あの世界とこちらの世界は同じ月を見ているのだと考えている。あちらの世界も地球だけど亜空間というか。
なのであちらも地球は丸いし、他の大陸もあるけど発見されてないということだと思う。
賢者様が選ばれた理由は、ちょうどその瞬間に月を見上げて月と周波数があったから、だと考えているので、そうするとやはり選んでいるのは月なのか。

ムルは、こちらの世界では人類はすでに月に降り立ったと知ったら、どんな反応をくれるのだろう。
すでに過去の賢者が伝えている気もするけど。
彼は月に近づくことを喜ぶけど、月を踏みつけることに興味を持つかは疑問。

厄災の奇妙な傷

ムルの傷それなんだ、と思った。
厄災が近づいたことが、欠片が実体を持つようになった原因だという話ではなかった?
ムルが厄災と戦ったことと、欠片については、関係ないように思えた。
いや、それが厄災の傷なんだとしたら、ムル本人にダメージないなって……
何やったらムルに害為すことができるのかわからないけども。
シャイロックみたいに物理的に痛みを与えるとかしないと無理そう。

ヒースの傷も、ヒース自身に不自由ないけど、あれは今後の伏線みたいでこわいんだよな……
ヒースの約束に対するジレンマが思ったよりも深くて、約束を破って魔力なんてなくしたい、のに、本当に果たしたい約束だから破れない。
シノのほうは、たぶん、自分の忠誠心が枷や義務に成り下がってしまうことに対する嫌悪なんだろうけど。
約束を破って魔力をなくしたいというヒースの願いをシノは知ってるんだろうか。シノはヒースに守られるつもりはないだろうから、知ってたらお前に守ってもらうつもりはないって拒絶しそう。
っていうかもう絶対ヒースがシノ庇って死ぬ(ほどの目に遭う)じゃんこれ?! 地獄!!
ヒースは約束を果たしてしまう…………